SNS上で大人気の漫画家・B.B軍曹さん。一見するとほのぼのした夫婦の日常を描いているように思えるこのアカウントですが、実は「気持ち悪い」と感じる人も少なくないんです。「え?あの癒し系の夫婦漫画が?」って思った方もいるかもしれません。でも実際にネットを見てみると、B.B軍曹に対する賛否はかなり分かれているんですよね。
たとえば、「キャラ設定があざとい」「絵柄が生理的に無理」「リアルの夫婦生活を出しすぎ」なんて意見もちらほら。逆に「共感できる!」「私もこんなふうに思ってた!」という声もあって、とにかく“好き嫌いがハッキリ分かれる人”という印象です。
なぜここまで評価が割れるのか?その理由を深掘りしていきます。
まず、B.B軍曹さんの投稿って、けっこう濃いんです。絵柄も癖があるし、投稿される漫画には本人の体験や感情がそのまま詰まっている感じ。たとえば、「お先真っ暗です」といったフォロワーのDMに応えて描かれた作品では、彼女自身の失敗体験を赤裸々に描いていました。
一方で、それが「気持ち悪い」と感じる人がいるのも事実。SNSって共感がベースの場所だけど、度を超えたリアリティや感情の押しつけを感じると、途端に冷めてしまう人もいますよね。「こんなに自分語りする必要ある?」とか「ポエムっぽくて無理」って思う人も中にはいます。
特に、夫との関係を描く場面で「キュンとした!」「理想の夫婦!」という声がある一方で、「うるさい夫アピールがあざとい」「ノロケがしんどい」という真逆の感想もあるんですよ。人によっては、見ていてなんだか居心地が悪くなってしまうようです。
さらに、コメント欄での“信者的”な雰囲気も、気持ち悪いと感じる一因かもしれません。B.B軍曹さんの投稿には毎回たくさんのコメントがつきますが、それに対して感情的に強く反応するフォロワーが目立つ印象もあります。これが苦手な人にとっては、「内輪ノリが過ぎる」「なんか宗教っぽい」なんて思われてしまうことも。
もちろん、それがダメってわけじゃないんです。SNSって「誰に向けて発信するか」が大事だから、自分の世界観を大切にするのは当然のこと。でも、その“世界観”が受け入れられない層にとっては、「気持ち悪い」とまで思わせてしまうことがあるって話なんですよね。
ちなみに、B.B軍曹さん自身はそうした意見にどう向き合っているかというと、非常に真摯なんです。「人を傷つける作品は描かない」と明言していて、表現の自由と受け取り手への配慮のバランスにいつも気を配っている様子が伺えます。
彼女は薬剤師という堅実な職業に就きながら、Instagramやブログで創作を続けている多忙な人。そんな中で、できる限り人に寄り添う作品を届けようとしている姿勢は本当に素敵。でも、逆にそれが“人間味”として受け止められない人からすると、「やたら自己肯定感が強いように見える」「努力アピールが鼻につく」と感じられることもあるんでしょう。
また、最近ではB.B軍曹さんの「メッセージ性の強い作品」も増えてきています。これに対しても、「感動した!」「心に刺さった」というファンの声と、「説教くさくて苦手」「もっと軽いネタの方が好き」というアンチ側の意見が混在しています。
この“説教っぽさ”というのがキーワードかもしれません。B.B軍曹さんの作品は、自分の失敗談や心の叫びを物語にして、それを通じて励ましや癒しを届けようとしているのが分かる。でも、その伝え方が読者によっては“上から目線”や“押しつけ”に感じてしまうんです。特に、人生うまくいっていない時期に見てしまうと、「なんでこの人はこんなに前向きなんだよ!」ってモヤっとしてしまうこと、ありますよね。
さらに言えば、「気持ち悪い」と思ってしまう心理の裏には“嫉妬”も隠れているかもしれません。「自分をうまく表現できて羨ましい」「フォロワー多くてすごい」「自分の弱さをさらけ出せる強さがある」…そうした感情が、「気持ち悪い」というラベルになって現れていることもあるはずです。
人って、自分にないものを持っている人を見ると、つい批判的になってしまうこともありますよね。だから、B.B軍曹さんが苦手という気持ち、なんとなくわかるんです。だけど、それを「悪」として否定しきれないのもまた事実。
というのも、彼女の投稿に救われた人がたくさんいるから。進学失敗、就職の悩み、孤独な結婚生活、子育ての不安…。そういった問題に直面したとき、B.B軍曹さんの言葉や絵が「ひとりじゃないよ」と教えてくれる。そういう体験をした人にとっては、まさに心の支えなんです。
結局、B.B軍曹さんが「気持ち悪い」と言われるのは、彼女が強烈な個性と世界観を持っていて、それが“刺さる人”と“刺さらない人”をハッキリ分けてしまうからなんでしょうね。
でもそれって、クリエイターとしてはすごく正しいこと。万人に好かれるって、逆に言えば“誰の心にも届いていない”ってことかもしれません。尖っているからこそ、熱狂的な支持も、強い拒否も生まれる。むしろそれこそが、B.B軍曹という人物の魅力なんだと思います。
SNSというオープンな場で、自分の気持ちや体験を表現するのは、ものすごく勇気がいること。どんなに気を遣っても、絶対に誤解は生まれるし、傷つくこともある。それでも発信を続けるB.B軍曹さんの姿勢には、見習うべき部分がたくさんあると感じました。
だからこそ、ちょっと気持ち悪いと感じてしまったとしても、「なんでそう感じるのか」を自分の中で考えてみるのも一つの手かもしれませんよ。
それにしても、「気持ち悪い」と感じたとき、私たちはその理由をどこまで言語化できているんでしょうか?実は、その“モヤモヤ”の正体が分かると、自分の感情との付き合い方も少し楽になるんですよね。
B.B軍曹さんのように、日常を漫画というカタチで発信している人は多いですが、彼女ほど「自分を描いて、なおかつ受け手に語りかける」タイプの人って、そう多くないと思います。これが魅力であり、違和感でもある。発信に“気持ち”が乗りすぎると、読者によっては疲れを感じてしまうわけです。
それに、ある意味“感情の泥臭さ”って、見る側に覚悟がいるものでもあります。B.B軍曹さんの作品には、「うまくいかなかった私」がたびたび登場します。それを見たとき、「勇気をもらった!」とポジティブに受け止められる人もいれば、「そんなに失敗を並べてどうしたいの?」と逆に引いてしまう人もいます。
これはもう、感じ方の問題でしかないんです。でもその“感じ方”に正解はありません。だからこそ、B.B軍曹さん自身も「人を傷つけない漫画づくり」をポリシーにしているわけで、実際の言動も極めて配慮に満ちています。
ただし、そういった“優しさ”が、時として表現の幅を狭めることもあるんですよね。たとえば、「自分の過去に悩む人を励ましたい」という思いがあっても、それをストレートに表現しすぎると、「うっとうしい」とか「重い」と言われてしまう。
特に今のSNS時代って、サラッとした内容が好まれる傾向にあるので、B.B軍曹さんのように“ガッツリ向き合う”タイプの発信は、受け取る側にエネルギーを求めてしまうところがあるんです。
それでも、そうした発信を求めている人が確実にいるというのも事実。受験に失敗して自己肯定感を失いかけていた時、職場で評価されず落ち込んでいた時、結婚して孤独を感じていた時…。そんな瞬間に、B.B軍曹さんの漫画を見て涙が出たという声も多数あります。
つまり、“気持ち悪い”と“救われた”が共存している。それがB.B軍曹さんという存在の特殊性であり、面白さなんですよね。
あと忘れてはいけないのが、表現者としての力量。彼女の作品って、ストーリー構成がすごく上手なんですよ。シンプルな1ページ漫画の中に、山と谷がきちんとある。起承転結が分かりやすく、読後感がスッと残るんです。
にもかかわらず、その内容が“感情ベース”であるために、「説教臭い」「痛い」「こじらせてる」という印象になってしまう…。これはある意味、皮肉ですよね。
ただしこれは、裏を返せば“それだけ心がこもっている”という証拠でもあるわけです。気持ちを込めず、ただフォロワーを増やすだけなら、もっと当たり障りない投稿で済むはず。だけど、B.B軍曹さんはあえて“自分の弱さ”をさらして、その痛みを笑いやユーモアで昇華しようとしている。
正直、そんな勇気ある発信って、できる人ほとんどいないと思います。
それに、ここまで読んでくれたあなたも、もしかしたら少しは感じているんじゃないでしょうか。「ああ、気持ち悪いっていうのは、ただの嫌悪じゃなくて、自分のなかの価値観とのズレだったのかも」って。
もちろん、嫌いなものは無理に好きにならなくていい。でも、その裏にどんな背景があるのかを知った上で「やっぱり苦手だな」と思うのと、「なんとなくムリ」と切り捨てるのとでは、大きな違いがありますよね。
B.B軍曹さんが届けているのは、“理想の人生”ではなく、“リアルな感情”。だからこそ、見る人の心のどこかに突き刺さる。そしてその“トゲ”が、時に「癒し」にもなれば、「不快」にもなってしまう。それはもう、紙一重。
でも、だからこそ彼女の漫画は、いまも多くの人に読まれ続けているんだと思います。
自分の中の「好き」と「嫌い」を言葉にして、それを誰かと共有できる場所。それが、SNSの良さでもあり、怖さでもあります。だからこそ、私たちは作品を通じて“誰かの人生”をのぞき見るとき、ちょっとだけでも「その人の目線」で考えてみることが必要なのかもしれませんね。